横浜みどり税を含んだ21年度予算案に反対しました
昨日、2月から続いた長~い予算議会が終了しました。21年度から、一人900円の超過課税「みどり税」がかかることになります。また、せっかく知られてきた、産後支援ヘルパー派遣事業は、生活保護や非課税世帯に限られます。2千万円の予算が来年度はたったの200万です。一方で、企業が独占的に使っているヘリポートの拡張には、1億5千万。市庁舎整備検討には4千万。整備するとなると1千億円。
産後支援ヘルパー派遣事業廃止についてのアンケートを読むと、女性なら涙、涙です。孤独な子育てに、頼りになるはずの母親達は今、その親の介護をしている時代なのです。里帰り出産もままなりません。たったの2千万円を削るのかな。それでは、何で検診を無料化するのか。横浜市は子どもを育てやすい街にするのではないのか。情けなくもなります。
横浜市は、財政難の中で、各局が予算縮減にしのぎを削っています。スクラップ&ビルド。何か新しい事業に着手するなら、今までの事業を辞めるという状況です。でも、これでは、じっくり周知されていく貴重な事業も打ち切られてしまいます。もう少し、横浜市全体で、何を重点にしていくのか練るべきです。ここ数年総花的な予算が続いてきましたが、そろそろ、しっかりと対極的に予算規模を活かして、メリハリを付け、舵取りをちゃんとすべきです。反対討論を掲載します。興味のある方はお読み下さい。
私は、市第88号議案 横浜市一般会計予算、市第104号議案 横浜市みどり保全創造事業費会計、市第111号議案 横浜市緑基金条例の制定、市第114号議案、横浜市特別会計設置条例の一部改正に反対の立場から討論いたします。
まず、横浜みどり税ですが、本予算議会では、昨年の第4回定例市会で可決された条例に基づき、横浜市税の超過課税という形で21年度から市民税均等割りで年間900円、約16億円、事業者に対しては、赤字の企業については猶予が設けられたものの年間約8億円の税が課税されることになります。
横浜市は、これまで市民の森制度などの「樹林地保全」の制度を設けてきました。市長は、「特別緑地指定区域に指定することについては、相続時の買取りを確約できなかったために進まなかった」と述べていますが、制度が十分に周知されてはいなかったことは地権者アンケートからも明らかです。先日の議会でも、市長は「毎年100hrの樹林地が失われていく中で、喫緊の課題として財源確保のために苦渋の選択をする」と述べていますが、私は、緑地の減少は財源だけの問題だとは考えていません。
昨年からの「緑アップ計画」の審査の中でもわかるように、樹林地開発に対する横浜市がとってきた対応も局ごとにばらばらで「緑を守る」ことが決して全市的な取り組みとはなっていなかったことに問題があったと考えています。
21年度「緑アップ計画」に71億8700万円の予算計上を行っていますが、まず、緑保全の政策強化をして予算の拡充を行い、効果を見てから税を導入するべきではないかと考えます。
昨年末にも、年が開けても景気の回復は難しいだろうと申し上げました。本当に今は、「これが日本だろうか」と思うほどに生活困難者が急増している状況です。横浜市全体の施策として、今は、市民負担を極力少なくすべきです。それでも、介護保険料は上がる。市民負担が少しずつ増える。大局的に見て、一人でも多くの生活困難者、企業の倒産を救わなければならないこの状況下で増税することは、他の横浜市の景気対策との整合性が取れません。大いに疑問です。「横浜みどり税」は市長の政策提案として凍結し、経済状況を見て、導入を先送りにすべきと考えます。
次に産後支援ヘルパー派遣事業についてですが、2004年に、国の「母と子の健康保持増進事業」として開始されたものの国は1年限りで打ち切りました。横浜市は、その後も単独で取り組み、出産前の申し込みを可能にし、期間を延長するなど制度改善に努め、使い勝手をよくしてきました。その結果、17年度811人の利用者が、19年度は2148人になり利用実績が上がってきています。私は、この制度が横浜市での出産をサポートする機能を持ってきたと評価してきた所です。ところが、20年度予算額が2215万円であったのに対して21年度予算では、利用できる対象を生活保護世帯と非課税世帯に限定して、予算額を90%削減し263万円にまで引き下げました。代わりになる制度とする育児支援ヘルパー、養育支援ヘルパー制度は、福祉保健センターがうつ症状のある方や、虐待などが危惧される場合に措置としておこなうもので、本人申請によるものではありません。昨年の利用実績も年間15件という状況で全く役割が異ります。
一方、出産を受け入れる病院や医院は少なくなり、里帰り出産が困難になってきています。実は、私も年子で出産しましたが、当時、実母はがんで闘病生活にあり長女の出産と入れ替わりに亡くなり、私は当時は夫の両親と同居もしていませんでしたから、一人で出産し育児を行いました。私の場合、体力があったから乗り切れましたが、みんながそうとは限りません。磯子区で対象者に行ったアンケートの意見を紹介します。まず、「制度を知らなかった。周知もしないで廃止はおかしい」「ほとんど市民に知られていないのだから、廃止に反対の声を上げようにも上げられない」という制度の存続を求める意見が大多数です。
また、私の場合と同様「母は、抗がん剤投与中で頼れない」「下の子のときは、入院もできず産後翌日から家事と子供の面倒を見たが、とうとう具合が悪くなった。」「母は、介護もしていたので、何があっても死なないでと祖母に言い残して来てくれたが、あと、数日、母が来られなかったら私が入院していたと思う」「2人目の子供もきっと帝王切開になると思う。そうすると10日間も上の子供を預けることはできないし、父親は育児休暇をとることもできない会社に勤めているので、ベビーシッターを雇う余裕もない。」と切々と子育ての現状が書かれています。ところが、旭区、磯子区役所に問い合わせた方は、「子どもを生むってことは、お金があるということだから支援が欲しければ自分で手立てを考えてくださいと、まるでお金がなければ子どもは産めないというような説明を受けた。」と聞いています。これは大問題です。
少子化時代にあって、 横浜市 横浜市
* 新市庁舎整備事業
次に、新市庁舎整備についてですが21年度は新市庁舎整備に関しては、「関内地区等活性化推進計画策定」として4千万円の検討予算が計上されています。市長は、就任当時、市庁舎整備を凍結し基金の積み立てを止めました。まさに、今、その判断は正しかったと考えています。
昨年横浜市が公募した際の4企業の提案の中には、横浜市が、年間賃借料として支払っている18億7千万円に見合うような実施計画はひとつもありませんでした。公表された横浜市の負担額は、710億、930億、476億、837億といずれも高額です。さらに、実際に民間提案書に書かれた金額は、1174億にも及ぶ額であって公表額と大変な開きがあります。公表額は例えば、30年後の10億円は金利を加味して4億1千万円とするというようにPFIのバリューフォーマネーの試算方法で本市が統一して試算したということですが、実際の契約額は、1174億の額になるということですので、情報の出し方にも大いに疑問があります。
市長は、18億7千万円を目安にしたことはないと答弁されましたが、庁内ではこれを目安として考えるのは当然の事とされてきましたし、常識的に見ても現在の賃借料を目安にするのは当然です。それを「広くなるから」などと、今後の市庁舎機能をどうするかの方針もなく、予算もお任せというのでは納得できません。135億円の市庁舎整備基金、32億8千万円の都市整備基金を取り崩し、167億8千万円で民間企業が進出を断念するような時期に北仲の土地を買って、関内再開発に取り組むから何処を市庁舎にするかも含めてアイデアをくださいとしたものの、当初想定していた予算額からはかけ離れている上に、民間が提示した金額を市が独自に解釈して公表し、いわば、自分で自分の首を絞めて開発の責務を負う状況に陥っています。市庁舎整備については、就任当初のように、今こそ凍結すべきです。
暫定へリポート
次に、今回の予算の議論で、全く、詭弁としか言いようのないのが、暫定へリポートの拡充です。昨日APECの横浜での開催が正式に決まり本日新聞にも報道されましたが、このAPEC招致のパンフレットにもかかれていたMMへリポートは実は何処にもありません。横浜市の予算書にも、契約書にも、暫定へリポートと書かれています。しかし、あるのは、エクセル航空が国土交通省に3ヶ月ごとに許可申請を出して遊覧飛行を行っている離発着場です。しかも、ここは、手続きもないままに国有地も含めて目的外使用し、港湾用地内に場外離発着場の体をつくっているだけということが審査で明らかとなっています。横浜市が設置して運用している「暫定へリポートはない離発着場の点として存在しているだけ」という局長答弁もありました。横浜市がこれまで、港湾施設として告示する以前と同じように、目的外使用の許可も取らず場外離発着場を設置して、遊覧飛行を認めてきたためです。それでは、1億5千万円の予算で拡充するものは一体何で、何の目的なのか全く不可解です。
以上見てきたように、横浜みどり税の徴収、少子高齢社会の中での産後支援ヘルパー派遣事業の90%カット。一方で、150周年事業の膨張と今後も懸念される横浜市の負担増。方針も、予算の目安もない1千億円を上回る新市庁舎整備事業に関する検討予算。さらには、ないはずの暫定へリポートの1億5千万円の拡充予算など、市民の負担は多くして、再開発や特定企業支援とも受け取られる事業に高額な予算が割かれています。
さらには、予算審議の中で、株式会社ベネッセコーポレーションと教育委員会の協同事業が、保護者の不安を掻き立て、企業の行う教育事業に誘導する。また、添付されているアンケート葉書がそのまま事業者に贈られ、学校を通じて得た個人情報が企業に使われるなど、問題が指摘されています。また、こんにちは赤ちゃん訪問事業では、民生委員からも「生協のパンフレットを配布して歩くことになり営業をやらされているみたいだ。」と問題視する声が上げられています。
横浜市は、企業を相手とした共創推進事業本部を設けて、今年、民間事業者の提案を積極的に受け入れる窓口として共創フロントを設置しました。しかし、すでに、民間事業者に事業を
丸投げすることの問題が随所で明らかになってきています。企業と、行政の癒着、談合は決して新しいものではなく、それを透明化し規制していくことが政治に求められてきたわけで、横浜市が一つ一つにきちんとした構想と方針を持たなければ、新市庁舎整備同様に迷走するか、市民に弊害をもたらすことにもなりかねません。
最後に、受注事業者からの市長への献金は、国でも問題となっている政治とお金の関係をそっくり横浜市にも映し出しています。せめて市長の口からは、受注事業者からの献金は受けないという答弁がいただきたかったと申し上げて、反対討論を終わります。
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